近年、葬儀の形式が変わりつつあります。
一昔前には家族葬なんて言葉も一般的ではありませんでした。
もう一昔前の昭和の時代には、盛大な葬儀が多く行われていました。
それは決して著名人だからとか、資産家だからというわけではなく、ごくごく一般的な家庭でもそのような執り行いが普通だったと記憶している方も多くいらっしゃることでしょう。
しきたり・作法については、故人や参列者に対し礼儀を欠くような事があってはいけませんが、葬儀方法についてはどれが正しいという事はなく、宗教等での重んじる事、個人や家族の希望、集まる方々の規模等々により自由に執り行って良いのです。
多種多様な葬儀
国および宗教により、様々な葬儀方法があるのは皆様もご認識されていると思います。
現在世界には国連加盟国が193カ国 、その他合わせると324カ国あり、宗教においては7千〜8千もの数にのぼります。
我が国日本では神道、仏教・キリスト教・無宗教に大半は別けれますが、この主要宗教から派生した宗派や新興宗教などの法人団体を合わせると約18万といわれております。
その全ての宗教団体が葬儀の執り行ないまで関わっているわけではないと思いますが、とにかく多様な思想があり、また更に、地域の特性等が含まれると、まさに多様過ぎて一言には説明できないほどです。
近年の一般的なお葬式
国や宗教規模で多様な葬儀がある事をご案内しましたが、もっと身近な話をしましょう。
日本で最も幅広く認識されているのは、通夜・葬式・告別式・火葬式を行なう方法です。
この一連を通してお葬式と呼びますが、それぞれ違った意味のある儀式でございます。
まず通夜は、故人を葬る前に家族・親族や親しい知人が、別れを惜しみ最後の夜を共に過ごして供養をすること。
葬儀は、家族・親族や知人が故人の冥福を祈り、あの世へ旅立たせるための宗教儀式のこと。
告別式は、家族・親族や親しい知人に加え、一般会葬者として故人と関わる幅広い友人や知人も含んで参列し、故人との最後のお別れを行う儀式です。
しかし近年では、通夜・葬儀と告別式、そして命日を含めて7日目に行われる法事の初七日までも、簡略して一緒に行ことが多くなっています。
意外に思われる方もいるかと思いますが、お考え・ご都合により更に手厚くしたり、簡略したりと、葬式の内容は自由に考え選択をして良いものなのです。
それでは、簡略葬儀から手厚い葬儀までを以下にご案内します。
<1>火葬式
家族・親族や親しい知人等、かつごく少数の方々のみで、火葬だけ執り行なう方法です。
ご都合上、簡略して他の式を行わない方や、遺骨を地元に持ち帰えってから葬式を行なう方もいらっしゃいます。
<2>一日葬
家族・親族や親しい知人等、かつごく少数の方々のみで、通夜を行わず、葬儀・火葬だけ一日で執り行なう方法です。
身近な方のみで行なうため、通夜にあたる事は簡略もしくは自宅で済ませてしまう方法です。
<3>家族葬
家族・親族や親しい知人等、かつごく少数の方々のみで行なう方法です。
少数とはいえ参列される方のため、簡略化をせずに通夜の場を設けて執り行なう方法です。
<4>一般葬
身近な方々だけではなく、知人や勤務先、近所の方々等、参列される方が少し多くなる場合、簡略化せず、通夜を行い、翌日に葬儀・告別式・火葬を執り行う方法です。
<5>社葬・合同葬
故人の勤先企業が主となって執り行なう場合や、家族・親族・知人と勤先企業との合同で執り行なう場合を言い、一般葬よりも更に大規模なものになります。
<6>その他
ごく限られた親近者のみで行なう密葬、形式にとらわれない音楽葬、会費制のお別れ会等、その他にも色々な方法があります。
もうご承知頂けました通り、葬儀とは、逝去された故人を供養すること、冥福を祈ること、あの世への旅立つお別れを告げること、そして故人を想われる気持ち、これらがあれば、形式はどのような方法でも間違いではありません。
葬儀業界では昔ながらに固定されて「一般葬」という言葉を用いておりますが、現代においては沿わない名称とも思います。
冒頭に葬儀形式が変わりつつあると言いましたが、遠い昔から、時代背景・社会情勢といったことと共に常に変化をしていると言った方が正しいかも知れません。